プリンセスラインドレスはプリンセスラインじゃない? 横田@スタジオ・バラック
皆様こんにちは、tamaraデザイナーの横田@スタジオ・バラックです。
先日NYで行われていたブライダルファッションウィークが終わりました。
このイベントは最新のNYのブライダルファッションのあらゆるアイテムをここで見ることができる、ウェディングファッションのお仕事にかかわる身としてはぜひとも見ておきたいショーですが、日本から気軽に足を運ぶのは難しい。そんなわけで、私はアメリカの雑誌「Brides」のWebサイトで最新コレクションをひと通り見てきました。
http://www.brides.com/wedding-dresses-style/spring-2014-bridal-runway-shows
Monique Lhuillier, Vera Wang, Amsale, Oscae de la Renta,Reem Acra などをはじめ、ここで見られるブランドは43ブランドほどですが、ランウェイ・ショーをせずにサロンでの発表だけのブランドもありますし、沢山のブランドがNYに集まってきていることがわかります。(アメリカ以外のブランドもいくつかこのタイミングでNYで発表しているようです)
ここでのブランドに共通していえることは、シーズンやブランドを問わず、印象として全体的な傾向はシンプルでスレンダーなものが多く、「日本で好まれるデザインとはかなり違う」という事です。
もちろん、こういったデザインのドレスが大好きな方も日本にも大勢いらっしゃるかと思いますが、年齢を問わず日本人女子に人気なシルエットといえば、プリンセスを思わせるスカートが大きく広がったロマンチックで華やかなデザインではないでしょうか?
と、実はここからが今日のテーマとなりますが、、、、
今日のテーマは以前からとても気になっていたプリンセスラインドレスのこと。
日本人女子に大人気のプリンセスのようなシルエットのドレス・・・は、「プリンセスライン」じゃないですよね?? という事なんです。
よく、Webサイト上やブライダル雑誌でウエディングドレスのシルエットを解説しているページがありますが、プリンセスラインについて2タイプの解説があることに皆さんお気づきでしたでしょうか?
解説1
「上半身はぴったりと見頃にフィットし、スカート部分はギャザーやフレアーで大きくボリュームを出したデザイン、いわゆるお姫様風のドレス」
解説2
「英国国王エドワード7世の妃、アレクサンドラ王妃が王太子妃(プリンセス)時代に好んで着用されていたことに由来する。ウエストに切り替えを入れず、縦切り替えの線だけで上半身をフィットさせ、ウエストを絞って、腰から裾にかけて広がりを持たせたデザインのドレス」
このような2タイプの解説があります、本来の意味として、そして服飾史的に、「解説2」が正しい、と私は認識しています。
実際に少し前まで一般的には「2」が正しいプリンセスラインであるとされ、「1」の記述に対してツッコミ&異議を唱える方も多くいらっしゃいました。
それがふと気がつくと、最近ではほぼ「1」が正しいプリンセスラインであるとの認識が主流のようになってきているではありませんか!
そういうわけで最近では多くの方が、訂正する気力を失い、実際上記参考のWikipediaでも、まるで根負けしたかのような形で(?)2つの認識がありますよ、というような形での記載になっています。
とはいえ、言葉の意味や使われ方というものは時代と共に変化していくものでもあるわけで、こういった認識の変化は仕方のないことだとも思います。
もしかしたら、いつの日か、「2」のプリンセスラインの認識があったことですら完全に消えてしまうかもしれませんし、今の状況を見ているとそれが自然なのかもしれないという気もします。
なので、もちろんこの自然の流れにたてついて、皆さんのプリンセスラインの認識は間違っていますよ!というつもりはありません。
私がどうしても言いたいこと。
それは「プリンセスラインの認識が変わってしまうことによって、アレクサンドラ妃が忘れられていってしまうことが哀しい!!」ということなんです。
そもそもプリンセスラインドレスの由来となった人物であるアレクサンドラ妃が忘れられ、もともとのプリンセスラインとは違った新しい解釈のドレスが一人歩きしはじめた今、そのルーツが忘れ去られてしまうことが哀しいのです。
150年前にデンマーク王国から英国、エドワード7世に嫁いだアレクサンドラ妃。いったいどのような女性でどのような人生だったのでしょうか?
同じ女性としても興味が湧いてきますが、この続きは後日後編へ続く、とさせて
いただきます。
お楽しみに :)
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日本の花嫁のウェディングスタイル研究会J-Brides Laboratory は、ウェディングドレスメーカーとアクセサリーメーカーにより企画運営されている日本の花嫁の装い・コーディネイトの可能性を探る研究会です。
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